TVアニメ「#平家物語」
第五話「橋合戦」
フジテレビ「+Ultra」にてまもなく25:00〜放送
ほか各局でも順次放送
「橋合戦」
平家二万八千余騎、木幡山うち越えて宇治橋の詰に押し寄せたる
すはや「討ち奉れ、討ち奉れ」然れども・・・
後陣これを聞きつけず、我先にと進む内に二百余騎押し落され流されけり
これより両方の詰にうつ立て矢合せす
そこへ五智院但馬、鎧もかけず楯も持たず通りける
向かつて来るをば斬つて落す、斬つて落す
してこそ矢切の但馬と云はれけれ
5話
「ゆるして、ゆるして、ゆるすの」
それは、世界が苦しいだけでないと願う”祈り”と”涙”。
「何回だって言うよ、世界は美しいよ。君がそれを諦めないからだよ。」
一方、OPのサビに合わせ映るのは”笑顔”の徳子。
まさにこの5話への答であり、映像・脚本(歌詞)の対比が素晴らしい。
↓
5話
赤子の初立ち、化け猫びわの二足歩行、馬が棹立ちするように足が竦む維盛。三者共に父は不在。平家の宝刀「小烏」を授けた八咫烏に想いを馳せ、翼の代わりに支えの足が三本あればと願わずにはいられない。死者への手向けに徒花を咲かせた後悔と、寄る辺ない悲しさが胸中に押し寄せる。
平家でもこうやって無慈悲な戦に苦しんだ側がいると思うと幾分か救われるな。どちらが勝っても遺恨が残る。それが戦よ。徳子もまた許すことで憎しみに染まらないように努めてる。平家の良心枠苦悶2連続は辛い。
許したいけど、それは抱えることであり飲み込むことであり、辛いよね。みんながやりたいようにやってそれでいいなんてこともないのにね。
「#平家物語」5話、清盛は福原に引きこもるが後白河法皇が維盛の領地を没収したと聞くや激怒、摂政関白以下悉く粛清、法皇を幽閉し安徳天皇を即位させ朝廷を完全に支配する/重盛の後継宗盛の横柄な振舞がもとで源頼政仲綱父子が以仁王に平家打倒を訴えるも忽ち平家側に察知され討たれる
コメント
5話補足情報
今回は1179年から1180年にかけての出来事。
高倉天皇の子を産んだのは「殖子たねこ/しょくし」、藤原氏。
最初の子はのちの守貞親王(後堀河天皇の父)、次の子がのちの後鳥羽天皇……平家物語ではほぼ出てこないが、「鎌倉殿の13人」を見続けていれば最重要人物として歴史に関わってくることになる。
馬を奪われた源仲綱とその父の頼政。
清和源氏、鬼退治や色々で有名な源頼光の子孫。源頼朝と同族ではあるがかなり遠い血縁。
頼政は平治の乱で清盛側についた「平家に属した源氏」武将で、本人もヌエ退治の逸話がある豪傑だったが、この以仁王の乱で平家に反旗を翻す。平家物語ではその理由として馬のエピソードを取り入れた。
園城寺(三井寺)。
滋賀県大津市にある寺院。比叡山延暦寺の内部抗争から分派した者たちが建てたもので、その誕生経緯から比叡山とは致命的に仲が悪い。以下Wikipedia「延暦寺による園城寺の焼き討ちは続発し、中世末期までに全焼7回を含む大規模なものだけで10回、小規模なものまで含めると50回にも上るという。」園城寺炎上(4年ぶり7回目)などとよくネタにされる。なお「おんじょうじ」であって「えんじょうじ」ではない。
地図で見てみればわかるが、京の北東、琵琶湖畔の園城寺から奈良の興福寺へ平家の追撃を避けながら逃げるのはかなり大変。鍛えているわけでもない以仁王が疲れ果てて途中の平等院で止まったのは仕方ない。
(なおこの150年後、山から山へ駆け回る大塔宮という体力オバケが皇族に登場する)
平知盛。
重盛より15歳年下。豪快な人物として描かれているしよく戦場にも出ているが、史実ではちょくちょく病に倒れており、この時代を描いた作品では「知将」「参謀」タイプにされることが多い。(豪傑系は清盛の弟教盛(のりもり)が担当)
平重衡。
びわにコナかけたり(死語)、維盛を戦場で支えたりと頼れるチョイ悪オヤジっぽいが、実際は維盛よりひとつ上なだけで今話時点では21歳ぐらいである。
清盛による後白河法皇の幽閉、いわゆる「治承三年の政変」。
作中で語られた大臣たちの流罪だけでなく
「院に伺候していた検非違使・大江遠業は子息らを殺害して自邸に火を放ち自害」
「白河殿倉預の藤原兼盛は手首を切られ」
「備後前司・藤原為行、上総前司・藤原為保は殺害されて河へ突き落とされた」
などなどかなり悲惨なことになっている。
・・・しかし「わしまでか」「許さんぞ清盛!」と後白河法皇が激怒しているが
自分が平家の財産分捕り権力基盤を崩そうとしたのを棚に上げてよく言うわとどうしても思ってしまう
しかも武士相手にそういうことやって、やり返されることは想定してなかったのね、と
よくあちこちの物語で「特権意識にこりかたまった貴族」が悪役、やられ役として出てくるけど
「本物」はこのくらい心から自分の特権を当然のものと思っているんだなあと、ある意味感心するし参考になる
さて、重盛がこのタイミングで死亡しなかったら……本当に“有能な後継者”を如何に育成するかは何時の時代も課題だね。江戸時代を築いた家康は鎌倉、室町が滅んだ要因を一つは“後継者育成の成否”と見たのだろうなぁ。大奥や御三家、御三卿……。
さていよいよ源平合戦のキャストが出て来たぞ……。
それにしても効果音とBGMがポップ過ぎる(爆笑つ。三種の神器は色々と例えられるようになりますね……。
重盛が亡くなとて、平家の希望が清盛なってしまった…その清盛はいろいろ問題撒き散らしてるけど…でも清盛が亡くなったら一気に滅亡へのカウトダウン進むのかな…
橋合戦で琵琶の演奏と語りがカッコよかった。矢切の但馬はキャラが立ってて
FFビックブリッジの死闘でのギルガメッシュみたい
「急用を思い出したぜ!」って帰ったに違いないw
後白河法皇は頼朝に大天狗呼ばわりされるぐらいだし
武士を使い捨てて権力維持することしか考えてないけど、一方で一度使い捨てた人材でも流れ次第でまた重用するのは器量があるのか節操がないのか
宗盛は一次史料だと政治担当としては優秀で、人格的に穏やかで領民には好かれてた
宗盛のダメエピソードの大半は源氏寄りの二次史料だから、「とにかく宗盛が駄目だったことにしておこう」ってノリなんだろう
まあ、平家物語であれだけボロクソな役やらされたら、なかなかまともに評価して貰えないっていうか
昭和世代の俺からすると清盛が実に生々しく笹川良一、田中角栄、中内㓛に見える。凄い一族として権勢を振るったけど実は飛びぬけてパワフルな男の一代記だったっていう。こういうのってどの時代にもある構図だから平家物語って長く親しまれてるんだろうな。作者不詳との事だが実際これ一人の創作じゃ無いと思う。時代を跨いで複数の「名家」の栄枯盛衰を生々しく重ねて語り継いだからこそ普遍性のある作品になったんじゃねえかな。古川日出男や山田尚子だって誰かしら重ねてるでしょ。平成世代も令和の次辺りにいい年になって見返して今の政財界の大物を清盛に重ねると思うよ。
これ壇ノ浦の戦いまでいくんか めっちゃ端折ってて感情が追いつかん
源平合戦をネタにした創作物では登場人物がいろいろな解釈で描かれるけど、宗盛だけはだいたい無能にされるねw
宇治橋の以仁王側、もう一人キャラの立った人いた来たする。
欄干の上にヒラリと乗って突撃して華麗に討ち死にした人誰だっけか。
但馬の次に書かれてる、僧兵の「筒井の浄妙明秀(浄妙坊)だね
「日ごろはおとにもききつらむ、いまは目にもみ給へ。三井寺にはそのかくれなし。堂衆のなかに、筒井の浄妙明秀といふ、一人当千の兵者(つはもの)ぞや。われと思はむ人々は、寄りあへや、見参せむ」
二十四本持ってた矢を撃ちまくって、十二人射殺、十一人負傷させ
矢が尽きたので弓矢一式その場に捨てて、裸足で橋の桁を駆け渡り
「長刀でむかふかたき、五人なぎふせ、六人にあたるかたきにあうて、長刀なかよりうち折ツて、すててンげり。その後太刀をぬいて、たたかふ」
八人を斬り、九人目で太刀も折れてしまって折れ、川に落ちて、腰刀(脇差し)が最後の武器で「ひとへに死なんとぞくるひける」と暴れ続けた人
討ち死にとは書いてないね