さて、今日のラブライブ!は、
音ノ木坂学院の校庭から物語を始めるとしよう。
この日、穂乃果たちは生徒会で部活動紹介のビデオ制作のために取材を受けることになっていた。
希「実は生徒会で部活動を紹介するビデオを制作することになって各部に取材をしているところなん」
穂乃果「取材?」
凛「ねっ、ねっ、面白そうでしょう?」
希「最近スクールアイドルは流行ってるし、ミューズとして悪い話やないと思うけど」
凛「取材させてくれたら、お礼にカメラ貸してくれるって」
希「そしたら、PVとか撮れるやろう」
穂乃果「PV?」
凛「ほらμ’sの動画って、まだ3人だったの時のやつしかないでしょ」
穂乃果「あ…あの動画、撮ってくれたの誰か分からないままだし」
ことり「海未ちゃん、そろそろ新しい曲をやったほうがいいって言ってたよね」
穂乃果「決まりだね!」
海未「あ…もう!」
穂乃果「よーし、じゃあ他のみんなに言ってくる!」
ことり「あ、待ってー!」
海未「ちょっと、穂乃果!」
新たなるPV制作のために穂乃果たちは動き出すのであった。
秋葉原、神田、神保町の3つの街の狭間にある伝統校・国立音ノ木坂学院。
これは、廃校の危機に陥った学院を救うために立ち上がった9人の少女たちの物語である。
スクールアイドルとはいえ、彼女たちは学生である。
プロのように時間外での授業や早退は許されない。
昼食をとっては再び熟睡。
そして、先生に発見されるという1日。
スクールアイドルとはいえ、まだ若干16歳。
これが高坂穂乃果のありのままの姿である。
穂乃果「ありのまま過ぎるよ! って言うか、いつの間に撮ったの?」
凛「うまく撮れてたよ、ことり先輩」
ことり「ありがとう、こっそり撮るのドキドキしちゃった」
穂乃果「えっ!? ことりちゃんが…ひどいよー!」
海未「普段だらけているからこういうことになるのです。これからは」
希「完成したら各部にチェックはしてもらうようにするから。問題あったら、その時に…」
穂乃果「でも、その前に生徒会長が見たら…」
絵里「困ります。あなたのせいで音ノ木坂が怠ける者の集団に見られてるのよ」
希「まあ、そこは頑張ってもらうとして」
穂乃果「えっ? 希先輩、何とかしてくれないんですか?」
希「そうしたいやけど、残念ながらうちができるのは誰かを支えてあげることだけ」
穂乃果「支える?」
希「まあ、うちの話はええやん」
にこ「取材が来るって本当?」
ことり「もう来てますよ、ほら」
にこ「にっこにっこにー♪ みんなの元気ににっこにっこにーの矢澤にこでーす♪ え~とぉ…好きな食べものは…」
希「ごめん、そういうのいらないわ」
にこ「いつも? いつもはこんな感じにしているんです。アイドルの時のにこはもう一人の私。髪をきゅっと留めた時にスイッチが入る感じで。あっ! あ…そうです。普段は自分のことを「にこ」なんて呼ばないんです」
…ところがである!
にこ「っていないし!」
次の取材は、真姫と花陽に迫る。
だが、真姫はインタビューに応じなかった。
スクールアイドルから離れればただの多感な15歳。
これもまた自然なことである。
希「まず、アイドルの魅力について聞いてみたいと思います。では、花陽さんから」
花陽「えっ? えっと…その…」
凛「かよちんは昔からアイドル好きだったんだよね」
花陽「あ…はい!」
希「それでスクールアイドルに?」
花陽「あ…はい…えっと…お? ふふ…」
真姫「ちょっと止めて!」
穂乃果「うん? いやぁ、緊張してるみたいだから、解そうかなっと思って」
真姫「ことり先輩も!」
ことり「頑張っているかね?」
真姫「全く、これじゃミューズがどんどん誤解されるわ!」
凛「でも、確かにここまで撮った分だけ見るとちょっとねぇ…」
希「だらけているというか、遊んでいるというか」
花陽「えぇっ!?」
希「ま、でも、スクールアイドルの活動の本番は練習やろ?」
真姫「そうね」
穂乃果「よーし、じゃみんな、気合入れて行こう!」
希「うん? あっ!これで歌詞を考えたりするんやね?」
穂乃果「うん、海未ちゃんが」
希「えっ?」
凛「歌詞はだいたい海未先輩が考えるんだ」
希「じゃ、新しいステップを考えたりするのが?」
穂乃果「それはいつもことりちゃんが」
希「じゃ、あなたは何してるの?」
穂乃果「うん…ご飯食べて、テレビ観て、他のアイドル見て、すごいなぁって思ったり…あっ! もちろん2人の応援もしてるよ!」
希「あ…それだけ?」
穂乃果「えっ?」
その時、希は疑問を感じた。
何故、穂乃果がμ’sのリーダーであるのかを。
その後、一同は誰がμ’sのリーダーに相応しいのかを話し合うことになった。
にこ「リーダーには誰が相応しいか、だいたい私が部長に就いた時点で一度考え直すべきだったのよ」
真姫「リーダーね…」
ことり「私は穂乃果ちゃんでいいけど」
にこ「そうとなったら、早く決めた方がいいわね。PVだってあるし」
海未「PV?」
にこ「リーダーが変われば、必然的にセンターだって変わるでしょ? 次のPVは新リーダーがセンター」
真姫「そうね」
花陽「でも、誰が…」
リーダーとは
まず第一に誰よりも熱い情熱を持って、皆を引っ張っていけること
次に、精神的支柱になれるだけの袋の大きさを持った人間であること
そして何より、メンバーから尊敬される存在であること
にこ「この条件をすべて備えたメンバーとなると…」
凛「海未先輩かにゃ?」
海未「私が?」
穂乃果「そうだよ海未ちゃん! 向いてるかも、リーダー」
海未「う…それでいいのですか? リーダーの座を奪われようとしているのですよ?」
穂乃果「えっ? それが」
海未「何も感じないのですか?」
穂乃果「だって、みんなでミューズやってくのは一緒でしょ?」
花陽「でも…センターじゃなくなるかもですよ」
海未「そんなことでいいのですか?」
穂乃果「じゃあリーダーは海未ちゃんということにして」
海未「待ってください、無理です」
真姫「面倒な人」
花陽「じゃあ、ことり先輩?」
ことり「私?」
凛「副リーダーって感じだね」
花陽「でも、1年生でリーダーっていうわけにはいかないし」
かくして、話し合いだけでは決まらず、一同はカラオケで競うことになった。
にこ「一番歌とダンスの上手い者がセンターどう? それなら文句ないでしょ?」
海未「でも、私カラオケは…」
真姫「私は特に歌う気はしないわ」
にこ「なら歌わなくて結構、リーダーの権利が消失するだけだから」
一同は秋葉原に場を移し、チラシ配りで挑む。
にこ「1時間で一番多くこのチラシを配ることができた者が一番オーラがあるってことよ」
ことり「今回はちょっと強引なような…」
穂乃果「でも、面白いからやろうよ!」
ことり「ありがとうございました」
穂乃果「ことりちゃんすごい! 全部配っちゃったの」
ことり「う、うん、なんか気づいたらなくなってて」
にこ「おかしい、時代が変わったの?」
その後…
穂乃果「ふわ~、結局みんな同じだ」
海未「そうですね、ダンスの点数が悪い花陽は歌がよくて、カラオケの点数が悪かったことりはチラシ配りの点数がよく…」
ことり「結局皆同じってことなんだね」
凛「にこ先輩もさすがです! 皆より全然練習してないのに、同じ点数なんて」
真姫「でもどうするの? これじゃ決まらないわよ」
花陽「う、うん、で、でも、やっぱりリーダーは上級生の方が…」
にこ「仕方ないわね」
凛「凛もそう思うにゃ」
真姫「私はそもそもやる気ないし」
にこ「あんたたちブレないわね」
穂乃果「じゃ、いいんじゃないかなぁ、なくても」
海未「なくても?」
穂乃果「うん! リーダーなしでも全然平気だと思うよ。みんなそれで練習してきて、歌も歌ってきたんだし」
海未「あ、しかし…」
にこ「そうよ! リーダーなしなんてグループ聞いたことないわよ」
真姫「だいたい、センターはどうするの?」
穂乃果「それなんだけど、私、考えたんだ。皆で歌うってどうかな?」
穂乃果「家でアイドルの動画とか見ながら思ったんだ、なんかね、みんなで順番に歌えたら素敵だなぁって、そんな曲作れないかなぁって」
花陽「順番に?」
穂乃果「そう、無理かな?」
海未「まあ、歌は作れなくはないけど」
真姫「そういう曲、なくはないわね」
穂乃果「ダンスはそういうの無理かな?」
ことり「ううん、今の7人ならできると思うけど」
穂乃果「じゃあ、それが一番いいよ! 皆が歌って、皆がセンター!」
ことり「私、賛成!」
真姫「好きにすれば」
凛「凛もソロで歌うんだ!」
花陽「わ、私も?」
海未「やるのは大変そうですけどね」
にこ「仕方ないわね。但し、私のパートはかっこ良くしなさいよ!」
ことり「了解しました」
穂乃果「よーし、そうと決まったら、早速練習しよう!」
ことり「でも、本当にリーダーなしでいいのかな?」
海未「いいえ、もう決まってますよ」
真姫「不本意だけど」
海未「何にも囚われないで、一番やりたいこと、一番面白そうなものに怯まず真っ直ぐに向かっていく。それは穂乃果にしかないものかもしれません」
【これからのSomeday】
μ’sのPV映像として制作された楽曲。
音ノ木坂学院の校舎を舞台とし、穂乃果たちの等身大のイメージを描いた雰囲気に仕上がっている。
衣装は不思議の国のアリスをモチーフにしている。
その頃…
希「もう認めるしかないんやない? えりちが力を貸してあげればあの子らはもっと…」
絵里「なら希が力を貸してあげれば?」
希「ウチやない。カードも言ってるの。あの子たちに必要なのはえりちや」
絵里「ダメよ」
それから数日後。
穂乃果「あ、どうしたの、花陽ちゃん?」
花陽「た、た、助けてー!」
穂乃果「助けて?」
花陽「んじゃなくて、大変、大変です!」
突如、花陽から告げられた一つの報い。
果たしてそれは一体、何なのか!?
(つづく)
【次回予告】
スクールアイドルの祭典「ラブライブ!」への出場に意気込みを見せる穂乃果たち。
一方、海未は絵里がμ’sの活動を認めない理由を探る。
そこには、知られざる事実が隠されていた。
次回、ラブライブ!
『エリーチカ』
お楽しみに。
コメント
7話・8話はまとめないの?
遅くなりますがまとめる予定ですので、少々お待ち下さい。(月曜深夜ぐらいの予定)