“ 九月九日。ガイエスブルク要塞。
勝利の式典がおこなわれる広間の入口で、ジークフリード・キルヒアイスは、武器を持ちこまないように、と、衛兵に注意された。赤毛の若者は腰のブラスターを抜きとってから、ふと心づいて訊ねた。”(野望篇第九章第I節)
銃携帯の特権を奪われたキルヒアイス。
ここ、どれほどキルヒアイスの心は傷ついたんだろうなって思ってしまう。
これからの2人の関係は「友人」ではなく「主従」だって言われたのと同じだもの……
“「御意……」
薄い水色の目をした提督は悪びれない。ラインハルトも善戦した敗将を侮辱しようとはしなかった。”(野望篇第九章第I節)
…ただ実は、この一連の戦役でファーレンハイトさんがどんな「善戦」をしたのか、具体的な描写は原作にもないんですよね。
“ごく低い、だが明らかな冷笑が、参列者の間からもれた。主君の屍体を手みやげに、降伏を申し入れてきた卑劣な男に対する、武人らしい直截な反感の表現だった。”(野望篇第九章第I節)
…これをビッテンフェルトさんに任せるのはなるほどなって感じ。
ここの咄嗟に銃を取ろうとしたけどないことに気づいたキルヒアイスの動きによる状況の説明が素晴らしくてラインハルトの誤りを明確に示していて好きだけどつらい
ちなみに「身を呈してラインハルトを守るオーベルシュタイン」は石黒版オリジナル演出なので、うっかり「原作のオーベルシュタインのシーンが〜」って言うと一斉砲火されるから注意な
『全宇宙が私の敵になっても、キルヒアイスは私に味方するだろう』と自信をもって宣言できる相手だからこそキルヒアイスに特例として式典での武器の携帯を許可していたのに……
原作だと“指環に擬したレーザー銃”(野望篇第九章第I節)は2回撃たれてるんだけど、今作では1回だけ。諸将の動き出すのがやや早かったこともあるんだけど、奥の手は一度きり、というふうにも見えて説得力がある、かも。
ブラウンシュバイクの遺体を床から見上げるアンスバッハのアングルはインパクトあるわ。あんな主君でも救えなかったから、最後の望みだけは成し遂げようとしたのは理解できる。
アンスバ氏にとってはお仕えした主の最後の命令にして、自分がそれに答えられる最後の時なんだよな。決して愚かだなんて思えない。言えない。これも一つの忠義の形。
“ ラインハルトは闇のなかにいた。
提督たちの姿も、彼を殺そうとした男の姿も、彼の蒼氷色(アイス・ブルー)の瞳には映っていない。彼は、ただ、彼の生命を救ってくれた赤毛の親友だけを見つめていた。”(野望篇第九章第I節)
…本当に、二人しかいない。この場面。
“ キルヒアイスは、かすかにほほえんだようだった。その微笑が消えたとき、金髪の若者は、半瞬の戦慄とともに、自分の半身が永久に失われたことを知った。”(野望篇第九章第I節)
ここのラインハルトというか宮野さん、今まで完璧に「ラインハルト」を演じていたのにここですごい「宮野真守」がむき出しになってて結果的に「なにもとりつくろえないラインハルト」になってるのが凄すぎるんだよな…
「ジークフリード・キルヒアイスは特別だ――特別だった。」ミッターマイヤーさん(とロイエンタールさん)は他の諸将に比べると少しだけ付き合い長いからな… 詳しくは外伝「星を砕く者」を。
“「なにしろわが軍には目下ナンバー1、ナンバー2がおらず、まとめ役を欠くのでな」
ロイエンタールの言うことも手きびしい。オーベルシュタインのナンバー2無用論が結果としてキルヒアイスの死につながった点を突いたのである。”(野望篇第九章第II節)
「彼は小物だ。真の主犯は別にいるということにする」というセリフの残酷ささあ……。アンスバッハのブラインシュバイク公に対する感情も忠義も覚悟も、この一言でないことにされちゃった……。
原作より
「帝国宰相リヒテンラーデ公」
「……!」
なぐられでもしたように、ミッターマイヤーはのけぞった。ほかの提督たちも、愕然として、義眼の参謀長に視線を集中させた。危機を逆用して、潜在的な敵を排除しようとするオーベルシュタインの意図を察したのである。
「卿を敵にまわしたくないものだ。勝てるはずがないからな」
ミッターマイヤーの発言にこめられた深い嫌悪感を、すくなくとも表面的にはオーベルシュタインは無視した。
原作でも石黒版でもノイエでもこのシーンはスキスキ
ロイエンタール「まるきり冤罪というわけではないというわけか」
いやいや、今回のラインハルト暗殺未遂に関しては冤罪だよ……
ラインハルト排除計画はあったと思うけど、陰謀の段階と実行では全然違う。
やってない罪を押し付けって理不尽だと思うの…
“ 権力はそれを獲得した手段によってではなく、それをいかに行使したかによって正当化される――。
その認識が、提督たちに、すさまじいばかりの決断をさせた。”(野望篇第九章第II節)
【DNT】<ベイオウルフ(人狼)>:全長1433m、帝国軍ミッターマイヤー艦隊旗艦。薄い青灰色で塗装された帝国軍第二世代戦艦の先行試作型。推進ユニットを調整した高速戦艦で、艦各所に換装可能な武装ユニットを持つ。リップシュタット戦役後、帝都オーディンへと急行。
【DNT】<トリスタン>:全長1390m、帝国軍ロイエンタール艦隊旗艦。帝国軍第二世代戦艦の先行試作型。濃い青灰色で塗装され、艦体各所に換装可能な武装ユニットが配されている。リップシュタット戦役終結後、帝都オーディンに降下する。
【DNT】<ケーニヒス・ティーゲル(王虎)>:全長1241m、帝国軍黒色槍騎兵艦隊(司令官ビッテンフェルト中将)旗艦。第一世代戦艦の設計を踏襲した第二世代の先行試作艦で、漆黒に塗装され、リップシュタット戦役終結後、帝都オーディンに降下。
リヒテンラーデ「ばか者が! なんの証拠があって、そんな戯言を並べるか」
オーベルシュタインの策略であって、証拠はないです。
邪魔だから排除しますってヤツ。
……ノイエのリヒテンラーデ公、忠臣って感じに見えたし、やりきれないなあ……
ミッターマイヤーとても良いことを言う…権威が実力を作るものではなく、実力が権威を作る…まさしくそのとおりである…。ただ与えられているものにあぐらをかいているだけではだめなのだ…
ヒルダのナイトガウン姿?着方的にはバスローブ??
なんか、ノーブラっぽい? 後ろ姿も体のライン見えそうな……
口調的にも、遊びなれてるリア充な女子大生感が私的にするんだけど…
ノイエのヒルダ、陽キャでインスタ女子タイプに見える。
ラインハルト陣営、門閥貴族よりはマシではあるけど、あくまでマシなだけで、清廉潔白ではないんだよね。
民衆だって戦略のために犠牲(焦土作戦、ヴェスターラント)にしてるし…
綺麗事で権力は握れないのはわかるけど、突き詰めて考えると門閥貴族との差ってなんだろうってなる……
ラインハルト「きさま、喋ったな! キルヒアイスのことを姉上にしゃべったな!」
ココの演出好き。
ノイエのラインハルトは感情爆発させる幼い所が年相応って感じで、激情を示す動作いいよなあ。
なので、先のミッターマイヤーにいったとこも容赦なく顔を崩してほしかったなと……
「ご自分を責めるだけで私に責任を押し付けようとしないのはご立派です。」
これさあ、キルヒアイスに言った言葉を嘘にしないためだよね。オーベルシュタイン一人を御せずして宇宙を手に入れられるかっていうキルヒアイスに言った言葉を守るためだよね。
『キルヒアイスのことを姉上に喋ったな!』『申し上げました』『キルヒアイスがヴァルハラで情けなく思うでしょうな』ほんとよく分かってるよオベ、お前……
結局アンネローゼのこの時の言葉が正しいのかわからんのよね
確かにここで手を差し出したらラインハルトは立ち止まってたとは思うんだけど、ここでアンネローゼを失ったからこそキルヒアイスもいないラインハルトはノーブレーキになるしかなかっただろうから
アンネローゼ…「もう、失うものをなくしてしまった」…厳しい…
「お互い以外に失うものがない」…
「あなたのそばにいない方がいいのです」「生き方が違うのですから」
「でも、まだあなたは疲れてはいけません」
ラインハルトの姉…
アンネローゼは返答しなかったけど、原作には“彼の思いは正しかったのである。”って書いてある。外伝ではキルヒアイス→アンネローゼへの想いも書かれてるし、、どんだけ経っても2人の幸せな未来を見たかったなーって願望から逃れられない!
「宇宙を手に入れてからお迎えにあがります」
これをアンネローゼはどんな気持ちで聞いていたんだろうな。決してそんなことを望んでいなかっただろうし、でもその発端には自分がいて、この悲劇が起きてしまったのに、もう弟はこう言うしかないんだよ……
「刑の執行は卿らに任せる」「10歳以上の男子は全てタヒ刑」つまりロイエンタールたちが子供を含むリヒテンラーデ一族の処刑を担当したんだろうなと思うと、とても苦しくなります。
“「卿らも同様だ。私を倒すだけの自信と覚悟があるなら、いつでも挑んできてかまわないぞ」”(野望篇第九章第III節)
…出てしまったよこの台詞。
ここでオーベルシュタインも「リヒテンラーデ一族の事、本当に宜しいのですか?」って聞いてるから余程のことだし、たとえばキルヒアイスがいたらこんな裁断じゃなかったんだろうなって。
このキルヒアイスの髪の毛をいじるしぐさ…
そして発艦するブリュンヒントがシールドを閉じるのは、ラインハルトが心を閉ざすのを象徴してるよね。
最初このカイザーの指の動きの意味がわからなくて、二回目見たときにああスクリーンを動かしたのか、からの、違うこれキルヒアイスの髪の毛触っアー!!!!!!!!てなって咽び泣いた。
【DNT】<ブリュンヒルト>:全長1039m、帝国軍ローエングラム艦隊旗艦。純白の塗装と流麗な艦影を持ち、流体金属装甲で表面を覆った最新鋭の第三世代戦艦。帝国暦486年に竣工。リップシュタット戦役終結後、オーディンへと帰還の途につく。
「10歳以上の男子は全て死刑 」にあえて「9歳以下はよろしいのですか」と訊くのは、ロイエンタールの消極的な抗議だったように思える
【 スピンオフイラスト 】
第23話「さらば、遠き日」
ご視聴ありがとうございました!
今後放送終了後に
各話スピンイラストを更新!
今回のイラストはコチラ!
次回の放送もお楽しみに♪
確かにリヒテンラーデ公は計画はしてたようだけど、それならば計画を企てていた罪で罰するべきで、それを自分達の利益のためにやってもいない罪をかぶせて命を奪うって、ラインハルト陣営の方が過激なことやってない?思って思ってしまう。
しかし棺の遺体の下に隠しただの指輪型だのであんな武器を見逃したってえらいザルなセキュリティだな、それともブラウンシュバイク公が財にものを言わせてセキュリティ破り能力も殺傷能力も高い逸品を入手したのか…あの場は征服したばかりの地だし、逆に全員銃を持つべきだったのだ…
銀河英雄伝説 Die Neue These
第24話「わが友」<終>
救国軍事会議によるクーデターが平定され、平和式典が開催された。
軍人代表として壇上でトリューニヒトとの握手を強いられ不機嫌になるヤンだが、脳裏に浮かんだ考えに戦慄する。
Eテレ14(月) 午後10:50
https://t.co/TM1sgBCrAF
第23話「さらば、遠き日」アンスバッハが、主君の仇としてローエングラム侯を討とうとします。キルヒアイス上級大将は、真っ先に素手でアンスバッハの腕を抑えます。とっさに体が動くのは常に心を砕いて守って来たからと思います。侯を身を挺して庇い、願いを託す姿に心を打たれました。
アンネローゼ様を取り戻すために始めたことなのに、アンネローゼ様も失い、その道にどんなことがあってもついてきてくれた親友までなくして、、、、、目的をなくして目標があってもな。。。でもほんと、立ち止まれないというか、やめられないところまで来てしまった感。
…「キルヒアイスを失わねば、ラインハルトはさっさとヤンに勝っていただろう」と、作中でも世間でも言われるが、
その方が、ヤンも、ラインハルトにしつこくアタックされ😂、険しい条件で戦い続けなくて済んだんじゃなかろうか…という気がしないでも。
…民主主義の存続とかは知らんw
あの出来事をあっさりスピーディに済ませ、その後もオーベルシュタインの登場で滞っていた会議があっさり済んで再びスピーディに物語がすすむ…この流れはすごいなぁとおもった。
【 #ノイエ銀英伝 #虎の巻 】
その㊺「国璽」
ミッターマイヤーがオーディンに戻って奪取した「国璽」とは🙄❓
【 #ノイエ銀英伝 #虎の巻 】
その㊻「ヴァルハラ」
オーベルシュタインのセリフに出てきた「ヴァルハラ」って何🙄❓
【 虎の巻 】
今週も放送ご覧頂き、ありがとうございました
知っていると作品をさらに楽しく
観られる情報をお届けする
「 #ノイエ銀英伝 #虎の巻 」
第23回の本日は
「国璽」
「ヴァルハラ」をお届け😊
やっぱ宮野真守の演技すごいや。
吹雪君にしろ00の刹那にしろファフナーの遼にしろ
本質的に「心のよりどころのない少年」の演技が上手い。
こういう思春期の心の揺れを表現した声を出せる男性声優は少ないと思う。もちろんラインハルトは大人ですが
(キルヒさよならから目をそらし)
「感想投稿ツイートキャンペーン」第23話では期間中 をつけて感想をツイート頂いた方の中から抽選で1名様に「2019年舞台版『銀河英雄伝説 DieNeueThese』出演者用トレーニングウエア上下セット
」をプレゼント。ご応募お待ちしております!
全員が重要性を理解しているのに誰もやりたがらない仕事(アンネローゼへの報告とラインハルトの再起動)を淡々と引き受けるオーベルシュタイン。帝都にはフェルナーを派遣済みという演出がよかった。
さらば遠き日っていうタイトル、ラインハルトの少年時代はもちろんなんだけど、ある意味門閥貴族達にとっても「栄光の年月の終焉」ととらえると「さらば遠き日」なのかなぁなどと思ったり
キルヒアイスが生きてたら、ラインハルトは恒星になり得なかったのかなぁ。例えそうだとしても生きていて欲しかった。そばに在って、苦しみながらでもずっと二人で前に進んで欲しかったよ。
「銀河英雄伝説 Die Neue These」#23-戦勝式と捕虜の引見。アンスバッハの忠義、キルヒアイスだが特例が排されたばかりに。取り乱すラインハルト、オーベルシュタインの策謀、全権力の奪取。姉上の弟への裁きと答えの沈黙。守るべきものを失い覇道を進むより他無くなったラインハルト。
コメント
キルヒアイスが逝ってしまった。
悲しすぎるわ。
23話始まってから秒で終わった感じが……
30ウン年前からキルヒアイスのこのシーン知ってたし原作もOVAも見てたのに、
〇〇〇〇・゜・(つД`)・゜・〇〇〇〇
泣いてしまった。
アラフィフなのに。
飲めないけど、今夜は呑む!
原作だとブラウンシュバイク公の腹をかっさばいて銃を隠してたのに普通に棺からロケットランチャー出して逆にビックリしたわ。
( ゚□゚)!
規制とかで色々と厳しいんやろ。
旧版でオーベルシュタインが一人になったときに光には影がつきしだが、だが光が陰れば影もまた、、、ってつぶやくシーンがカットされてたのは残念だった。
個人的にはオーベルシュタインも自身の失敗でキルヒアイスを失ったことを悔いていると感じたから