穂乃果「くじを引くのはにこちゃんだよ」
にこ「ええっ、私!?」
真姫「卒業するまでは部長でしょ?」
凛「そうにゃ、最後はビシッと決めるにゃ!」
にこ「分かったわよ!」
くじ引きはにこに託された。
スクールアイドル・μ’s。
これは、スクールアイドルの祭典・ラブライブ!で優勝を掴み取るために立ち上がった9人の少女たちの物語である。
遂にμ’sはラブライブ!決勝を翌日に控えていた。
凛「にこちゃん凄いにゃー!」
にこ「あ、当たり前でしょ! 私を誰だと思ってるの!? 大銀河宇宙ナンバーワンアイドル、にこにーにこちゃんよ!」
そんな中、ラブライブ!決勝ではμ’sの出番は一番最後に回った。
穂乃果「私はこれでよかったと思う。念願のラブライブ!に出場出来て、しかもその最後に歌えるんだよ」
海未「随分暖かいですね」
穂乃果「ありがとう、お昼寝したくなっちゃうね」
ことり「いよいよ春って感じだよね。桜の開花も今年は早いって言ってたし」
穂乃果「そうなんだ。なんか気持ち良いね~」
穂乃果「ぎゅぅ~」
海未「なんですか一体!?」
穂乃果「急に抱きしめたくなった!」
ことり「私も~」
海未「苦しいですよ、ことり、穂乃果!」
ことり「ぎゅぅ~」
穂乃果「ぎゅぅ~、ぎゅぎゅぎゅっぎゅぅ~!」
やがて日が暮れ、μ’sの最後の練習は終わった。
凛「あ~あ、もう練習終わりなのかぁ」
絵里「本番に疲れを残すわけにはいかないしね」
ことり「そうだよね」
絵里「じゃあ明日。みんな時間間違えないようにね。各自、朝連絡を取り合いましょう」
海未「はい。穂乃果のところには私が電話しますね」
穂乃果「遅刻なんてしないよ!」
花陽「もしかして、みんなで練習するのって、これが最後なんじゃ…」
そう思うことも無理はなかった。
真姫「ええ、気付いてたのに言わなかったんでしょ、絵里は」
絵里「ううん、実は私もちょっと考えちゃってたから」
穂乃果「あれ、皆?」
凛「穂乃果ちゃん、どうしたの?」
穂乃果「えっ? なんかまだ、みんな残ってるかなぁって」
花陽「だよね」
真姫「どうするの、このままじゃいつまで経っても帰れないわよ?」
ことり「そうだよね…」
穂乃果「あっ! じゃあさあ、こうしない?」
にこ「はいお待たせ、家庭科室の炎、火力弱いんじゃないの」
穂乃果「わぁー、いい匂い!」
にこ「花陽、ご飯は?
花陽「炊けたよ!」
凛「そして凛はラーメンも!」
真姫「いつの間に持ってきたのよ」
絵里「それじゃあ、夕食にしましょう」
9人の賑わいな声は部室中に広がっていた。
希「なんか合宿のときみたいやね」
穂乃果「合宿よりも楽しいよ。だって学校だよ、学校!」
凛「最高にゃー!」
にこ「まったく子供ね」
穂乃果「おっ、ねえねえ、今って夜だよね?」
にこ「そうだけど?」
穂乃果「バーン!」
凛「穂乃果ちゃん?」
にこ「何してんのよ、寒いじゃない!」
穂乃果「夜の学校ってさ、なんかワクワクしない? いつもと違う雰囲気で新鮮!」
凛「後で肝試しするにゃー!」
希「いいね、特にえりちは大好きだもんね」
絵里「のーぞーみー!」
穂乃果「絵里ちゃんそうなの?」
絵里「え…いやぁ…それは…」
穂乃果「うわぁー、星が綺麗」
空を見上げると、夜空には満天の星が輝いていた。
花陽「そっか、学校の周りは明かりが少ないから」
穂乃果「ねえ、屋上行ってみない?」
所変わって、屋上。
そこから見渡す夜景はまさに幻想的だった。
穂乃果「すごいね」
ことり「光の海みたい」
海未「このひとつひとつがみんな誰かの光なんですよね」
絵里「その光の中でみんな生活してて、喜んだり、悲しんだり」
穂乃果「この中にはきっと、私達と話したことも会ったこともない、触れ合うきっかけもなかった人達が沢山いるんだよね」
にこ「でも繋がった、スクールアイドルを通じて」
穂乃果「偶然流れてきた私たちの歌を聴いて、何かを考えたり、ちょっぴり楽しくなったり、ちょっぴり元気になったり、ちょっぴり笑顔になってるかもしれない。 素敵だね」
穂乃果「私、スクールアイドルやって良かったー!」
真姫「どうしたの?」
穂乃果「だって、そんな気分なんだもん! みんなに伝えたい気分、今のこの気持ちを! みんなー、明日、精一杯歌うから聞いてねー!」
μ’s「みんなー、聞いてねー!」
9人の叫び声は夜の街中に木霊していった。
遂に、穂乃果たちが待ち望んでいた日がやってきた!
真姫「これが会場」
穂乃果「大きいねぇ!」
絵里「流石本戦はスケールが違うわね」
凛「こんな所で歌えるなんて」
にこ「トップアイドル並みに注目を浴びてるのよ、ラブライブは!」
花陽「注目されてるんだ、私たち」
これが決勝に残ったグループが立つステージセットである。
海未「すごい照明ですね」
ことり「眩しいくらいだね」
希「沢山のチームが出場する訳やから設備も豪華やね」
その頃、穂乃果たちは既にステージ衣装への着替えを済ませていた。
穂乃果「みんな可愛いね!」
絵里「流石ことりね」
ことり「うん、今までで一番可愛くしようって頑張ってたんだ!」
海未「素晴らしいと思います」
希「いけそうやね!」
絵里「さあ、準備は良い?」
希「今日のウチは遠慮しないで前に出るから覚悟しといてね」
絵里「なら私もセンターのつもりで目立ちまくるわよ、最後のステージなんだから!」
希「面白いやん!」
「一番可愛くしよう」と思って作った衣装がμ’sの最初のライブの衣装のオマージュなの、何もかもが強すぎる…… 最後のライブのつもりで作ったんだぞ?
真姫「3年生だからってボヤボヤしていると置いてくわよ、宇宙No.1アイドルさん」
にこ「ふふん、面白いこと言ってくれるじゃない。私を本気にさせたらどうなるか覚悟しなさいよ!」
μ’sはラブライブの決勝に「これまでの全て」を突っ込んだような楽曲を持ってきて、Aqoursは「今まで走り続けてたどり着いた、”今”の思い」をぶっこんだような曲繰り出してきて、近いけどやっぱ違うんだよな……
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